大切ないのちをいただく
食卓までのストーリー
農場からフィードロット(穀物肥育場)、食肉処理場を経て出荷され、消費者のもとに届くまで、オージー・ビーフやオージー・ラムは、それぞれの過程で高度な知見や先進的な技術を駆使して厳格に管理されています。また、動物福祉(アニマルウェルフェア)の考え方に基づいて、動物たちは倫理的・人道的に取り扱われています。
農場FARM
オーストラリアの牛や羊の生産者は、畜産や農場管理に関するハイレベルな技術で世界中から認められています。最新の技術開発にも力を入れており、遺伝学研究や家畜生産の効率化などに関しては世界をリードする存在です。さらに、農場や牧草地の改良と水管理の分野でも非常に進歩的な取り組みを推進しています。
高品質と持続可能性を追求
陸地の47%が畜産業のための農地であるオーストラリアには、約2,611万頭の牛(2021年推計)と7,400万頭の羊(2018年時点)が飼育されています。牛や羊の生産農家の多くは家族経営でありながら、世界水準の高品質な牛肉とラム肉を供給してきました。また、品質を追求する一方で、持続可能で倫理的な生産というテーマにも積極的に取り組んでいます。
放牧時の育て方
オーストラリアは全世界の牛肉供給量の3%を生産しており、世界第3位の牛肉輸出国です。オーストラリアのすべての州と地域で幅広く生産される牛肉の生産地は、北部と南部に大別され、生体牛の約50%がクイーンズランド州で飼育されています。また、約2,600万頭に上る牛の約97%が牧草地で飼育されています。
フィードロットFEEDLOT
オーストラリアに生息する牛のうち平均して全体の2〜3%の生体がフィードロットで育てられています。一見少なく見えますが、フィードロットを経て出荷される牛肉は全生産量の約34%を占めるほどです。なお、最終的にフィードロットで肥育される「グレインフェッドビーフ」であっても、その成長過程の9割近い期間を放牧地で過ごします。
品質を仕上げるフィードロット
フィードロットはバランスの取れた栄養価の高い餌を与え、安定した品質・量の牛肉生産を実現する管理施設です。グレインフェッドビーフは牧草地で育てられた後、仕上げのためにフィードロットに送られます。例えば、オーストラリア国内の小売業向けなら肥育期間を平均60〜80日、ホテルや外食産業向けなら平均130日など、異なる市場ニーズに対応するために、各フィードロットでは期間や給餌内容を独自に設定しています。
オーストラリア全土に点在
オーストラリア全土に約450の認定フィードロットがあり、その大部分は牛や穀物の供給に近接した地域にあります。フィードロットで肥育される牛の数は、クイーンズランド州が最大で全体の約60%を占め、続いてニュー・サウス・ウェールズ州が約30%、ビクトリア州が約7%となっており、残りの3%ほどは南オーストラリア州と西オーストラリア州です。
食肉加工施設PROCESSING
オーストラリアのすべての食肉加工施設は連邦政府の法律の下で運営されており、厳格な衛生基準と安全基準を満たしている必要があります。また、食肉の品質や安全性と同様に、と殺過程における動物たちの人道的な扱いは最も重要な課題の1つであり、動物たちの移動や処理に際しても動物福祉に基づいて十分な配慮がなされています。
世界をリードする食肉加工施設
牛肉とラム肉の原料加工における世界的リーダーとして、オーストラリアの食肉加工施設はハイレベルな食肉安全性を維持してきました。対象の市場や動物の品種などに応じて施設はそれぞれ多種多様ですが、いずれも安全性や信頼性、生産効率性の確保・向上のために、最新技術を積極的に採用しています。