卓越した品質、クリーンでグリーンな生産、優れたトレーサビリティ、品質保証システムに裏づけられたオージー・ビーフは、世界中で高い評価を受けています。
各部位の特徴を活かすカット方法は70種類以上に及び、作りたい料理の食感、柔らかさ、風味、食事の質などに応じて、多彩な商品を使い分けられる点も魅力のひとつです。
グラスフェッドビーフ
グラスフェッドビーフとは
約2,611万頭の牛のうち約97%が牧草地で飼育されています。「グラスフェッドビーフ」とは、こうした牧草地で主に牧草を食べさせて飼育した牛の肉のことです。
牛の品種、牧草の品種や品質、土壌の種類、地形や気候条件などの違いによって、風味や食感、柔らかさが異なりますが、グラスフェッドビーフは一般に、しっかりとした素朴な風味と優れた食感を持つと言われています。また、一部のエリアでは栄養価の高い牧草で飼育するパスチャーフェッドビーフと呼ばれる種類もあります。
主な牧草の種類
イネ科のフェスクやライグラス、マメ科のルーサンといった植物を単独もしくは混播し、肉牛に良質な牧草を与えています。地域や季節により牧草の種類は異なります。
グレインフェッドビーフ
グレインフェッドビーフとは
「グレインフェッドビーフ」とは、フィードロットで主に穀物(グレイン)を与えて成長させた牛の肉のことです。
牧草に比べて穀物は高エネルギーなため、グレインフェッドビーフは通常、引き締まった赤身に豊富な筋肉内脂肪(マーブリング)を兼ね備え、滑らかで安定した食感を提供。その肉がグレインフェッドビーフとなる牛も一般に成長の85-90%を牧草地で過ごし、その後、フィードロットで過ごす平均期間は約95日と言われています。
主な穀物の種類
ソルガムや小麦、大麦などを蒸して圧片し、消化しやすい状態にして肉牛に与えています。フィードロットや季節により、与える穀物の種類は異なります。
主な牛の品種
さまざまな料理でそれぞれの持ち味を発揮するバラエティに富んだオージー・ビーフ。その豊かさを生み出しているのが、オーストラリアで飼育される多種多様な肉牛です。アジアに起源を持つ「ボス・インディカス」、ヨーロッパからもたらされた「ボス・トーラス」、そして、日本由来の「Wagyu」の3つに大別されます。
ボス・インディカス
アジアを起源とし、オーストラリア北部など高温多湿な熱帯地域の環境に適応する品種です。大きな体格と長い脚が特徴で、その皮膚や汗、尻尾から生じる化学物質はダニや他の寄生虫を寄せつけません。
また、大きな耳とたるんだ皮膚は高温の環境下でも体を涼しく保つのに役立つほか、ラクダと同様、背中に脂肪を蓄積したこぶを持ち、過酷な干ばつなどに対する耐性も備えています。
ボス・トーラス
「イギリス種」とも呼ばれるヨーロッパに起源を持つ品種で、より温暖な気候に適しているため、主にオーストラリアの南部地域で飼育されています。ボス・インディカスよりも体格が小さく、筋肉の増大などによる成長が速いのが特徴です。
その体表的な品種であるスコットランド原産のアンガス種は、顕著な適応性と質の高い遺伝的特徴を有しており、その優れた特性は交配を通じて他の品種の牛を強化するためにも使用されています。
Wagyu
アジア原産の牛から派生した日本由来の品種ですが、ボス・トーラスとして分類されています。筋肉内脂肪細胞(サシ)が豊富で、他の品種よりも柔らかい脂肪組成と細やかな肉質がその特徴です。贅沢な食感と風味を持つジューシーな霜降り入りの牛肉を作る能力に恵まれています。
現在、オーストラリアは日本以外における最大の和牛生産国であり、その9割近くが海外に輸出されています。オーストラリアにおける和牛は牧草地で放牧させた後、飼育場で1年から長ければ600日間も肥育されるなど、他の品種よりも時間とコストをかけて丁寧に育てられています。