私たちのハッピーな毎日にフィットする、ちょっとした食テクニックについて、女子栄養大学 生涯学習講師 春日先生にお話をうかがいました。
春日千加子 先生
女子栄養大学生涯学習講師
栄養学博士・管理栄養士
大学の栄養クリニックでの栄養指導をはじめ、専門学校の非常勤講師、自治体などの栄養教育、糖尿病専門クリニックでの栄養相談など幅広く携わる。女子栄養大学出版部「おうち太り・栄養不足・自炊疲れすべて解決!テレワークごはん」、「更年期からのコレステロールを下げる毎日ごはん」など執筆、監修。
朝日浴で体内時計をリセット
「早起きは三文の徳」ということわざがあるように、朝にまつわる習慣には、前向きなものが多いかと思います。1日のスタートの快適な心身のリズムづくりのためにも「朝活アクション」を始めてみませんか。
第一に、スッキリとした目覚めには、朝の光が大切です。目が覚めたらまず初めに、カーテンを開け、日光を浴びましょう。朝の光を浴びることで、脳内にある体内時計の主時計をリセットする効果があります。私たちの体内時計の周期は1日24時間より少し長いと言われており、この時間差をリセットすることで、心身のリズムが整い、安らかな夜の眠りとともに、スッキリとした朝の目覚めに繋がります。
朝食前の白湯で朝の腸活を
「食欲がないから朝食は抜いてしまう」という声がよく聞かれます。朝に食欲が沸かない人はまずは、朝食前に1杯の温かい白湯を飲むことから始めてみましょう。
朝起きたら白湯を飲むことで、睡眠によって失われた水分を補給し脱水を防ぎ、喉通りもよくなります。徐々に胃腸を温めることで、消化酵素の分泌や胃腸の蠕動運動の準備が整います。胃腸のウオーミングアップができるので、食事がとりやすくなり、さらに朝食後のスムーズな排便にも効果があります。
朝食でおなかの抹消時計をリセット
朝食をとることで、胃や腸など消化管にある抹消時計がリセットされ、活動的な1日のスタートをすることができます。そのための朝食に欠かせない栄養素は、糖質とたんぱく質です。
糖質は、エネルギー源として代謝を上げ、インスリン分泌を促し、抹消時計の時刻を合わせる働きがあります。また、たんぱく質は、体温を上昇させ、成長ホルモンなどの分泌や、筋肉の合成を促し筋肉量を効率的に増やしてくれるので、活動力の向上や疲れにくいからだづくりにつながります。
Inner Make Recipe
食パンをこんがり焼いたら、スプラウト、ローストビーフ、目玉焼きの順に重ね盛り付け、塩とこしょうをふりかけます。
たんぱく質は、筋肉、臓器、皮膚など成人では、体重1kgに対して1g程度が目安とされています。良質のたんぱく質とは、たんぱく質の質を評価する指標「アミノ酸スコア」が高いものを表し、さらに低脂質で高たんぱく質の食材であれば、体内で作ることができない必須アミノ酸を効率よくとることができます。牛赤身肉のオージー・ビーフは、もも肉100gが117kcal、脂質3.6g、たんぱく質を17.8g(※)、低脂質で高たんぱく質、「アミノ酸スコア」100、満点の優秀さです。
※出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
いつもはハムエッグの朝食を、オージー・ビーフのローストビーフエッグに食材をスライドさせるだけで、今までの朝食が、タイパ(タイムパフォーマンス)の良い朝食へと変身します。特に忙しい人ほど、取り入れてみてはいかがでしょうか。
からだ想いの朝活3アクションは、いつものライフスタイルをちょっと変えるだけです。朝の笑顔がずっと続くようなイキイキ美人をイメージしながら、自分の体と向き合うちょっとした時間が、明日の健康へと繋がります。