私たちのハッピーな毎日にフィットする、ちょっとした食テクニックについて、女子栄養大学 生涯学習講師 春日先生にお話をうかがいました。
春日千加子 先生
女子栄養大学生涯学習講師
栄養学博士・管理栄養士
大学の栄養クリニックでの栄養指導をはじめ、専門学校の非常勤講師、自治体などの栄養教育、糖尿病専門クリニックでの栄養相談など幅広く携わる。女子栄養大学出版部「おうち太り・栄養不足・自炊疲れすべて解決!テレワークごはん」、「更年期からのコレステロールを下げる毎日ごはん」など執筆、監修。
お肌美容でも“良質のたんぱく質”に注目!
紫外線や冷房によるお肌ダメージが気になる季節。日焼け止めや化粧品などアウトメイクを気遣う人も多いのではないでしょうか。そんな時こそ、インナーメイクをはじめるチャンスかもしれません。
良質のたんぱく質の摂取によって、皮膚トラブルの多くは改善されやすいとも言われています。角質層に含まれ、肌のうるおいを保つ天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)は、約40%がアミノ酸で構成されており、良質のたんぱく質の摂取は、お肌美容面でも大切なポイントとなります。
たんぱく質不足が原因のひとつと考えられる体の変化に「たるみ」があります。たんぱく質が不足すると筋肉が減りやすく、たるたるの一因となってしまいます。また、シワなどコラーゲン不足によるたるみを防ぐには、コラーゲンの材料であるたんぱく質が必要です。たんぱく質は分解と合成を繰り返していますので、不足による肌荒れにならないように、常にとりたい美容栄養素です。
アミノ酸スコアの高い食材牛赤身肉で摂取効率アップ
“プロテイン美容”など、お肌の美容栄養素としても注目されている“良質のたんぱく質”。筋肉や臓器、組織の維持に欠かせないたんぱく質は、基本的には体重に対して1日1g程度の量を目安に年齢や体格などによって調整されるとよいでしょう。
良質のたんぱく質とは、たんぱく質の質を評価する指標「アミノ酸スコア」が高いものを表し、さらに低脂質で高たんぱく質の食材であれば、必須アミノ酸を効率よくとることができます。牛赤身肉のオージー・ビーフは、もも肉100gが117kcal、脂質3.6g、たんぱく質を17.8g(※)、低脂質で高たんぱく質、「アミノ酸スコア」100、満点の優秀さです。
※出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
また、摂取したたんぱく質は体内で、合成と分解を繰り返しているため、1食に偏るのではなく、不足しないように3食に分けて適量を摂取することで、筋肉の合成にも効率よく役立ちます。
キレイを育てる!プロテイン美容テクニック
お肌の皮膚もたんぱく質を原料としてつくられており、ターンオーバーを繰り返して新しい肌へと生まれ変わります。毎日の生活の中で、コラーゲンの材料である良質なたんぱく質を意識して食し、ターンオーバーの巡りをスムーズに進めることが大切です。
牛赤身肉のオージー・ビーフには脂質が少なく、良質のたんぱく質のほかに、女性にとって大切な鉄も豊富に含まれています。特にミネラルの中でも鉄は吸収率が低く、不足しやすいので、常に意識して摂りたい栄養素でもあります。また、鉄はビタミンCと一緒にとると吸収率が高まるといわれています。
オージー・ビーフと美肌効果や疲労回復が期待できるビタミンCが豊富な美容野菜のブロッコリーを合わせた「ステーキとブロッコリーの簡単ナムル」は、ヨガやランニングなどのケアメニューとしてはもちろん、さっと作ることができるので、朝や忙しい日の夜ごはんにもオススメです。
Inner Make Recipe
オージー・ビーフのステーキは一口大に切り、茹でたブロッコリー、のり、ごま油、塩と和えます。お好みでおろしにんにくを少量加えても。また、ごはんにのせて丼にして、汁物を加えれば、よりバランスの良い1食になります。
ブロッコリーを色とりどりのパプリカなどのビタミンCを多く含む野菜にチェンジしても美味しいです。食材を混ぜるだけのナムルは、アレンジの幅のあるメニューです。いろんな食材アレンジも楽しんでみてはいかがでしょうか。
お肌のダメージは実は季節のせいではなく、日々の栄養不足のサインかもしません。食事は口も腸も動かす全身運動です。アクティブなインナーメイク美人をイメージしながら、自分の体と向き合うちょっとした時間が、明日の健康へと繋がります。