私たちのハッピーな毎日にフィットする、ちょっとした食テクニックについて、女子栄養大学 生涯学習講師 春日先生にお話をうかがいました。

春日千加子 先生

春日千加子 先生

女子栄養大学生涯学習講師
栄養学博士・管理栄養士

大学の栄養クリニックでの栄養指導をはじめ、専門学校の非常勤講師、自治体などの栄養教育、糖尿病専門クリニックでの栄養相談など幅広く携わる。女子栄養大学出版部「おうち太り・栄養不足・自炊疲れすべて解決!テレワークごはん」、「更年期からのコレステロールを下げる毎日ごはん」など執筆、監修。

忙しい時こそ!栄養バランスを意識するチャンス

仕事も家事も、忙しい時に限っていろんな用事が重なる時って、ありませんか?「忙しいと、食事がおろそかになってしまう」という声を聞くことも。忙しい時ほど、体も心もエネルギーを必要としています。

食事は1日3回、しかも毎日です。健康に良い栄養バランスのとれた食事を摂りたいと意識していても、仕事も家事も忙しく、“毎食単位”さらに、1日単位でも、きちんとするのはなかなか難しい方もいらっしゃるかもしれません。そんな時こそ、栄養バランスを“週単位”で意識してみるマインドチェンジがおすすめです。栄養バランスを週の後半にかけてゆったりとイメージして、週末までに足りない食材を意識してとることで、可能な範囲で不足している栄養素を補うことができます。

食事の目的は、栄養摂取だけではありません。食事は楽しいひとときを与えてくれるものでもあります。心にも体にも余裕がうまれ、もっと食事が楽しくなるのではないでしょうか。

栄養バランスの良い食事とは?

厚生労働省は、国民の健康の保持、増進、生活習慣病の発症予防を目的に、エネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルについて摂取量の基準を設けています。この食事摂取基準は、1日ではなく、習慣的なエネルギーや栄養素の摂取量を意味しています。さらに、私たちが食べているものは、栄養素ではなく食品や料理なので、毎日の食事が基準を満たすかどうか示すことは困難です。

そこで、栄養素ではなく食品や料理の組み合わせで栄養バランスを整える3ステップがおすすめです。ステップ1は、主食・主菜・副菜を揃えて食べることです。具体的には、主食として炭水化物がとれる穀物、主菜にたんぱく質がとれる肉、魚、大豆製品、卵のいずれか、そして、副菜にビタミン、ミネラル、食物繊維がとれる野菜類はたっぷり揃えて食べてみましょう。

さらにステップ2として、食材の質を意識しましょう。例えば、穀物は食物繊維が多い雑穀米や全粒粉パンなど、良質のたんぱく質がとれる脂身の少ない肉類や新鮮な魚介類、ビタミン、ミネラルの豊富な緑黄色野菜や旬の果物、カルシウム豊富な乳製品や良質の油を補うことも大切です。そしてステップ3として、それぞれの食材を組み合わせることにより、栄養素が効率よくとれて、自然に栄養バランスのよい食事になります。

女性はいつも一生懸命。仕事や家事、育児など、いくつもの役割を忙しくこなしている方も多いと思います。週の後半から、「疲れがぬけない」と感じた時は、栄養不足のサインかもしれません。例えば週の前半を振り返ってみると、炭水化物のご飯や麺類の単品ものが多く、良質のたんぱく質や野菜のおかずが不足気味だったのではないでしょうか。週の後半からでも可能な限りバランスを意識して食事をとることを心がけてみましょう。食べ忘れていた食材をカレンダーに記入してみるのもよいかもしれません。可能な範囲で食材の組み合わせを意識するだけでも、栄養バランス・リカバリーに繋がります。

栄養バランス・リカバリーテクニック

牛赤身肉のオージー・ビーフには脂質が少なく、良質のたんぱく質や鉄が豊富に含まれています。特にミネラルの中でも鉄は吸収率が低く、食べ貯めができないため、常に意識して摂りたい栄養素でもあります。鉄はビタミンCと一緒にとると吸収率が高まるといわれています。

忙しい日でも手間なく失敗なく作れるボイルドローストビーフ。火を使わず混ぜるだけの簡単ソースで楽しんでみてはいかがでしょうか?

Inner Make Recipe

オージー・ビーフローストビーフ キウイフルーツソース
オージー・ビーフローストビーフ
キウイフルーツソース

オージー・ビーフもも肉(かたまり)の表面に塩、こしょうをすりこみ、密閉式保存用袋に入れ、空気を入れないよう口を閉めます。袋のまま沸騰している湯の中に加え、10分茹で、火を止め、常温になるまで鍋に入ったままおきます。キウイフルーツは5mm角に切り、塩、エクストラバージンオリーブオイルで和えるだけ。ゴールドキウイフルーツなら、1個で1日に必要なビタミンCが摂れます。

ジューシーなローストビーフに、爽やかなソースでお疲れにシャキッとした気分にもさせてくれますね。

忙しい時こそ頑張りすぎずに、栄養バランスを大きくとらえて、食事を楽しく、体も心も嬉しいものにしましょう。バランス美人をイメージしながら、自分の体と向き合うちょっとした時間が、明日の健康へと繋がります。